起きた問題に対して「なぜ」を3回、4回と繰り返して質問していくと真の原因にたどり着ける。これを取り入れてるんだけどよ。いまいちパッとしないんだわ。何が悪いんだろう…。
本記事の内容
- なぜなぜ分析では問題解決は出来ない
- なぜなぜ分析の使えるもの、使えないもの
- なぜよりも、「どうしたら」の質問の方がいい
なぜなぜ分析で、問題は解決しない【人はウソをつくから】
なぜなぜ分析をして、問題解決は難しいです。
基本的にもともと工場の製造ラインで生まれた問題解決の手法です。それが流行って他の業界にも使われるようになりました。
工場の製造ラインは機械が自動で行っています。原因は人以外にある可能性が高いので、なぜなぜ分析が使えます。
営業やサービス業、接客など問題の原因は「人間」である可能性が高いです。
PDCAも製造業で誕生して、ほかの業界や業種に広く使われています。
なぜなぜ分析と同じで、人がかかわる業種では人間の心理は働くため効果を発揮するどころが逆効果になる可能性があります
関連記事【現実】pdcaが意味ない理由を解説【ちゃんと理解してないから】
人間をしっかり理解した上で、手法を使っていかなければ意味がなくて、闇雲にいろんな手法を使うのはNGです。
ここからは「なぜなぜ分析」が、どうして人間がかかわる業種に使えないのかを深掘りしていき、
なぜなぜ分析は、人に原因が特定される業種では向かない
なぜなぜ分析の「なぜ」は問いかけです。僕達人間には「焦点機能」があります。
焦点機能とは、
- 焦点を当てたものは→見えるし感じる
- 焦点を当てないと→見えないし、感じない
こんな風に焦点機能はカメラみたいな役割でレンズを向けた場所は見えるけど、向けなければ見ることはできませんね。
ちょっと質問です
昨日の夜は何を食べましたか?
この質問をされると「昨日の夜の食事」に焦点が当たったと思います。焦点を当てたので食事内容が見えてきたと思います。
さらに質問です
その食事の中で一番美味しかった食べ物は何でした?
これで「夜の食事」から「一番好きな食べ物」に焦点がズームされましたね。
なぜなぜ分析の「なぜ」の質問の効果について
なぜなぜ分析は「なぜ」と質問をして、焦点を当てさせる手法でしたね。
「なぜ」という質問でどこに焦点があたるのでしょうか?
なぜと聞かれると無意識に過去に焦点があたります。
過去に焦点が向かいます。例えば下記の質問で試してみてください
- なぜ、そう思ったの?
- なぜ、事件が起きたの?
- なぜ、やったの?
なぜと聞かれたら、やろうと思ったことや、起きてしまったことの原因となる「過去」に焦点がいきますね。
なぜなぜ分析は「原因の特定」です。原因は過去にあるから過去に焦点があたる「なぜ」の質問を使ったということです。
これが、人間に原因が特定される業種で向かない理由は2つあります。
- 人は都合の悪い過去を見ることが苦手
- 人がかかわると原因は1つではない
この2点です。
なぜなぜ分析が使えない理由①人は都合の悪い過去を見るのが苦手
上で紹介したように、「なぜ」は過去に焦点がむく質問ですね。
2つ質問をしてみるので、少し考えてみてください
好きな食べ物の質問
なぜ、(好きな食べ物〇〇)が好きなんですか?
仮にあなたがカレーが好きだったとします。するとカレーが好きになった過去の出来事を思い出そうとします。
比較的、これは答えやすいと思います。
会社で起きたトラブルの質問
なぜ、このトラブルが起きたの?
これだとどうでしょう。もし仮にトラブルの原因に自分が関わってて、更に先輩も関わってた。
そしてその先輩の行動が大きな原因でトラブルに発展した過去だったとします。
はい。先輩が原因ですね!! 先輩が100%悪いです。
製造業や工場ラインで「なぜ」を追究しても、でてくる原因のほとんどがシステムエラーや、タイミングや素材など、
人間以外のことが多いため、「なぜ」の追究が活きてくるということです。
自分や先輩に原因があるってなったら、アレコレ真実っぽいこといって誤魔化す可能性があります
現実問題、いざそうなった時、人間は平気でウソをつきます。
さらに、上司が部下になぜなぜ分析をすると最悪です。ウソラッシュがはじまります
なぜなぜ分析が使えない理由➁人が関わる仕事では、原因は1つではない
これが一番大きいです。
工場の製造ラインでは原因はどこかにあり、ある程度1つに特定できます。
人が主に関わる仕事ではどうでしょうか…。
複数の要因が影響しあって、様々な結果をもたらしています。
原因を追究したところで、出てくるものは真実ではないでしょう。
なぜなぜ分析をしても、真実は見えないし、気持ちがいいものではないのでおすすめできません
なぜなぜ分析より、「どうすれば分析」をおすすめしたい
なぜなぜ分析の「なぜ」は過去に焦点を当てて、過去の原因を探る手法です。
ここで「どうすれば分析」を提案したいと思います。
過去の悪いものを探るのではなく、未来に向けて改善するってことです
- どうすれば、いい?
- どうすれば、できる?
- どうすれば、クレームが減るかな
- どうすれば、数値が改善できるかな
これは前に進む質問なので、自然に自分の駄目な部分を改善するほうに焦点が当たります。
なぜダメだったんだ。なぜクレームが起きたんだ。なぜ数値が悪いんだ。→これでは正直、息が詰まりますよね…。
組織は人の集合体です。生き物なので、空気が悪いと活性化になりません。
どうせなら、気持ちよく仕事ができるように原因追究ではなく、未来に向けた改善に目を向けた方がいいかと思います。
なぜなぜ分析:まとめ
なぜなぜ分析は、息が詰まる手法になるので使い方を間違えると険悪なムードになります。
どうすれば出来るのか、どうすれば改善できるのか、の未来に向けての質問のほうが意識が高まります。
参考にしていただけると嬉しいです。